介護老人保健施設ラ・クラルテに株式会社ALITAのSupportMonitorを50台ご購入いただき、設置いただきました。
この度、事例紹介のインタビューにご協力をいただきました。
●ALITA
まず、当社製品のサポートモニターを導入される前に、御社が抱えていた課題やお悩みについてお聞かせいただけますか?

◆ラ・クラルテのご担当者様
最初に導入したのは、ベッドの横に設置して利用者が転倒すると警報が鳴るタイプでした。センサーに接触して初めて作動する仕組みなので、転倒検知だけに特化していました。
二番目は、マットレスの下に敷き込んでベッド上の動きを測定するものです。こちらも接触型で、利用者がベッドに乗っている時しかデータを取れませんでした。
どちらの機器も一つの役割を果たすだけで、しかもセンサーに触れていないと機能しない点がネックでした。
さらに二番目の機器はコード類が多く、コロナ禍のように感染症が拡大すると消毒後の再設置が難しくなります。職員が元通りに配線できず業者もすぐ来られないため、稼働停止の時間が発生してしまいました。
結果として、1台で多用途をカバーできず複数の機器を用意する必要があり、コストもかさむという問題に直面していました。
●ALITA
数ある製品の中からサポートモニターを導入された決め手は、どこにあったのでしょうか? また、他社製品と比較して際立っていた差別化ポイントについてもお聞かせいただけますか?
◆ラ・クラルテのご担当者様
一番の決め手は、ミリ波レーダーによる「非接触」の検知技術です。ベッドの外側の動きも捉えられますし、複数の人を同時に検知できる点が大きな魅力でした。カメラを使わないので、利用者のプライバシーを損ねない。これは、現場からも高く評価されています。
加えて、心拍数・呼吸・睡眠の質をまとめてモニタリングし、転倒・離床・長時間滞在といったリスク行動を自動でアラートの警報を鳴らすため、利用者の安全を守る事ができます。
検知データから、「睡眠レポート・睡眠統計レポート・呼吸レポート・安全報告・安全統計報告・使用率レポート」を作成し、レム睡眠・ノンレム睡眠の割合や呼吸の質、離床・転倒のレポートも作成できます。
さらに AI分析と連携することで、こうしたデータを患者様ごとの健康管理やケアプランにスマートに反映できる。ここが従来機器にはなかった差別化ポイントですね。
1台で多用途をカバーできるため機器数と、コストを抑えられる点も導入の決め手となりました。
●ALITA
実際にサポートモニターを導入されてから、現場ではどのような効果や変化が見られましたか? 具体的なエピソードや数値があれば、お聞かせください。
◆ラ・クラルテのご担当者様
まず、国が掲げる「介護現場の生産性向上」という指針を、現場レベルで実感できるようになりました。データ分析機能のおかげで AH指数(無呼吸の指標)をはじめ、心拍数・呼吸数・睡眠の質といった生理指標をリアルタイムに把握でき、今後は血圧との相関解析も視野に入れています。
心拍数の過多は心疾患、呼吸の過多・過少は肺疾患、睡眠の質の低下は日中の眠気や泌尿器系の睡眠障害など、さまざまな疾患リスクの早期発見につながると期待しています。
業務面では、看護師・介護士の夜勤負担が大幅に軽減されました。当社ではスマートモニターを50台導入し、従来は 2フロアを4人で回していた夜勤体制を3人に削減。これを月20日間続けられるようになりました。巡回も2時間おき8回から3時間おきに変更でき、スタッフの身体的・精神的負担が減っています。
さらに、夜間は人員が少ない分、転倒検知が遅れがちでしたが、サポートモニターが即時にアラートを出すことで、対応が迅速化。これまで収集が難しかった詳細な睡眠データも手に入り、今後は医療・介護の多領域での応用が期待できると考えています。
●ALITA
今後、サポートモニターをどのように活用していかれるご予定でしょうか? また、他の介護事業者へお勧めするとしたら、どのようなポイントになりますでしょうか?
◆ラ・クラルテのご担当者様
まずは、スタッフの目が届きにくいお部屋や死角になりやすい場所に優先的に設置し、訪室回数そのものを減らしたいと考えています。カメラではないのでプライバシーを損なわず、トイレや浴室のように監視が難しい空間でも活用できるのが大きな利点ですね。
夜勤体制については、サポートモニターのアラート機能に加え「睡眠レポート・睡眠統計レポート・呼吸レポート・安全報告・安全統計報告・使用率レポート」などの自動出力をそのまま記録代わりに使うことで、スタッフの記録業務を軽減。結果として夜勤人員をさらにスリム化し、生産性向上につなげたいと考えています。
また、転倒が発生した際には 「転倒までの軌跡追跡」と 「正確な発生時刻」を即時に把握できるので、迅速な救助と現場状況の共有が可能になります。これは訪室回数の削減と併せて、スタッフの精神的負担を減らす効果も大きいですね。
コスト面でも、特養・老健・訪問介護など補助金対象施設であれば導入補助を受けられるうえ、他の見守り機器に比べて高いコストパフォーマンスが魅力です。すべてのデータは国内のデータセンターに保管され、AIによるスピーディな解析が可能です。今後のAIによる進化と新しいAIロボットとのコラボも期待でき、国が求めるDX化、スマートな介護を実現できます。
【介護老人保健施設ラ・クラルテ】
2003年に、神奈川県横浜市に誕生した「ラ・クラルテ」。フランス語で“光”を意味する言葉。経営陣が初めてこの地を訪れた際、曇り空の雲間から突如光が降り注ぎ、「高齢者の方々の心にこの地で光を与えよ」と天から使命を与えられたように感じました。
以来、医療と介護、病院と家庭の中間に位置する存在として、入居される皆さまの家庭生活や社会活動の復帰を目標に努力を重ねています。
近隣環境は自然にも恵まれ、四季を感じることができます。自宅のような快適で家庭的な雰囲気の中で、医師、看護師、薬剤師、介護福祉士、リハビリテーション専門家等、様々な分野の専門スタッフが、利用者様の充実した日常を総合的にサポートしています。
